誤食っていつ起こるか分かりません。
中毒を起こしやすい食べ物を簡単にまとめてみました!
少しでも参考になれば幸いです。
中毒を起こす危険な食べ物① タマネギ(ネギ類)
中毒を起こす動物 犬・猫
来院頻度 ☆☆☆☆☆
危険度 ☆☆☆☆
[該当品目]
・タマネギ
・長ネギ
・ニンニク
・ニラ など
[毒性成分]
タマネギに含まれる「有機チオ硫酸化合物」という物質です。
以下の3つが含まれます。 ・sodium trans-1-propenylthiosulfate
・sodium cis-1-propenylthiosulfate
・sodium n-propylthiosulfate
[中毒を起こす理由]
毒性成分が腸から吸収されます。体内で分解された際に、
強い酸化物質に変化することで、溶血(赤血球が破壊)を示します。
[症状]
発症は食べた直後ではなく、1日~数日かかります。
□ ぐったりする □ 呼吸が荒くなる □ 脈が早くなる □黄疸
□ ヘモグロビン尿 □貧血 □腹痛 □ 嘔吐 □ 下痢
[摂取すると危険な量]※ 目安
犬: 体重1kgにつき15g~30g [大さじ1~2杯]
猫: 体重1kgにつき5 g [小さじ1杯]
<注意>
加熱調理されたものや玉ねぎのエキスがしみ出た汁でも中毒は起きます
4kgのワンちゃんの場合 玉ねぎ 大サイズ 1/12個
小サイズ 1/8 個 が中毒量になります。
中毒を起こす危険な食べ物② チョコレート
中毒を起こす動物 犬 (猫は同様の症状を認めるが稀)
来院頻度 ☆☆☆☆☆
危険度 ☆☆☆
[該当製品]
・カカオ
・ココアパウダー
・チョコレートの製品
[毒性成分]
カカオに含まれる「メチルキサン誘導体(テオブロミン)」★のです。
メチルキサン誘導体とは以下の3つが含まれます。
・テオブロミン
・カフェイン
・テオフィリン
[中毒を起こす理由]
毒性成分が腸から吸収されます。体内では正常な反応に乱れを起こ
します。大量摂取により不整脈や呼吸不全を起こすことがあります。
[症状]
摂取後、1~6時間して現れます。
初期:□ 落ち着きがなくなる □多飲 □よだれ □ 嘔吐 □下痢
中期:□震え □興奮 □ 脈や呼吸が早くなる □ 不整脈
重度:□けいれん発作 □昏睡(意識障害)
注意)脂肪分が多いチョコレートの場合、摂取後1~3日で急性膵炎を併発することもあります。
[摂取すると危険な量(テオブロミン)]※目安
犬:体重1kg当たり100~200mg
猫:体重1kg当たり80~150mg
※ 犬では個体差があります 。
軽度:体重1kg当たり20mg
中等度:体重1kg当たり40~50mg
重度 :体重1kg当たり60mg以上 で中毒を認めることがあります。
中毒を起こす危険な食べ物③ ユリ(観賞用も含)
中毒を起こす動物 猫
来院頻度 ☆☆
危険度 ☆☆☆☆☆
[該当品種]
ユリ科植物
テッポウユリ・オニユリ・コオニユリ
ヤマユリ・鹿の子百合・キスゲ
アジアンティックリリー・カサブランカ
イースターリリー など多数あり
[ 毒性成分 ]
どうして中毒を起こすのかわかっていません。
[ 中毒を起こす理由 ]
回復の見込みが少ない腎臓の尿細管損傷及び壊死を引き起こし、
致命的な中毒を起こす。救命できたとしても慢性腎臓病を患います。
[ 症状 ]
①摂取後12時間以内に発症 → □嘔吐 □食欲低下 □沈鬱 □多飲多尿
②一旦、症状が落ち着いたように見える場合がある。
③摂取後1日~4日以内に急性腎障害★を発症する。
急激に腎臓の機能が低下する病気 <腎臓の主な働き> 腎機能の低下により①浄化機能:老廃物を排泄する
②再吸収機能:必要な水分やミネラルを体にもどす
③造血の指令:血液を作る指令を出す
① 老廃物が体内に溜まる
② 体に必要なものが再利用出来ない 結果、おしっこが作れない。
そして、他の臓器にも障害が起こり 数日で死に至ります。
[ 摂取すると危険な量 ●]※目安
・少量でも危険
・ユリの葉、茎、花弁を噛む、食べる
・花粉を舐める
・ユリを入れた花瓶の水を飲む などですでに中毒量です。
・700種類位の植物に対して中毒を起こす可能性があります。 ・誤食グセがあるこは植物を置かないことをお勧めします。
中毒を起こす危険な食べ物④ タバコ(ニコチン)
中毒を起こす動物 犬・猫
来院頻度 ☆☆
危険度 ☆☆☆☆☆
[該当製品]
・タバコの吸い殻
・ニコチンパッチ
・ニコチンガム など
[ 毒性成分 ]
ニコチン
[ 中毒を起こす理由 ]
ニコチンが作用するニコチン受容体は、自律神経、脳の一部や脊髄、
運動神経が筋肉につながっている部分などに存在しています。
これにより、消化器症状や呼吸器症状、神経症状などの症状が現れます。
[ 症状 ]
摂取後、急速に体内に吸収され15-90分で症状を認める。
□嘔吐 □流涎 □ぐったりする □ 筋肉の震え □ 高血圧
□ 頻脈、頻回呼吸 □不整脈 □異常な興奮
重症になると徐脈や呼吸抑制、低血圧、発作、昏睡を伴い死に至る。
[ 摂取すると危険な量 ●]※目安
・体重1kg当たり約8~10mgを超える量が致死量(犬・猫)
・体重1kg当たり約1~2mgを超える量が中毒量(犬・猫)
◎犬がタバコをなめた/かじった場合 →症状が出る可能性は低いと思われます。 ※食べてしまったのを目撃した場合、慌てて口から出せば大丈夫だと思われます。 ◎タバコの吸い殻が入った水を飲んだ場合やタバコの吸い殻を食べた場合 → 危険です。すぐに病院に行きましょう! <● 要注意 > タバコの種類によりますが、1本あたり0.5~2mgのニコチンが入っているため、体重4kgの子ではタバコ約2本で中毒症状が出る計算になります。 種類により異なりますが、電子タバコ内の液体には1ml中に約80mg位のニコチンが含まれています。 中毒を起こす動物 犬 来院頻度 ☆☆ 危険度 ☆☆☆☆ キシリトール 摂取すると、インスリンが大量に放出され低血糖を起こす。因果関係は不明。 大量に摂取した場合、急性の肝機能不全や血液凝固障害を生じることがある。 ①摂取後30~60分で低血糖を発症 (摂取から12時間継続) → □ 意識障害 □ 活発さが低下 □ けいれん発作(重度の場合) ②摂取後9~72時間後に肝機能不全( 血液凝固障害)、貧血 → □ 点状に出血 □紫斑 □ 下痢(黒色便)など消化管出血 ・体重1kg当たり0.1mgを超える量→ 低血糖 ・体重1kg当たり0.5mgを超える量→ 肝機能不全 ※ 個体差があり 製品により様々ですが、人用のガムの1粒0.3 g ~1.3 g に相当する。 ロッテのキシリトールガムは1粒 0.64g 含まれる。 体重5kgのわんちゃんが1粒食べるだけでも相当危険なことがわかる。 ※中毒量は個体差があるため、大量に食べても症状が出ないケースもあります。また少量でも重篤化するケースもあります。 <予後> 発見した時間に影響を受けるが、 ・低血糖のみ→ 良好 ・肝障害や血液凝固障害の併発 →入院(輸血)が必要なことも…状態により予後不良 中毒を起こす動物 犬 来院頻度 ☆☆ 危険度 ☆☆☆☆ どうして中毒を起こすのか解明されてません。 ぶどうやレーズンを摂取すると、急性腎障害★を起こします。 摂取した量によって中毒になる、ならないが決まるのかも、わかってません。 ①摂取後24時間以内に以下の症状を伴う 。 → □ 嘔吐 □ 食欲不振 □ 下痢 □ 傾眠(呼びかけに反応するがすぐにもうろうとする) ②摂取後48時間以降に急性腎障害を発症する。 急激に腎臓の機能が低下する病気 <腎臓の主な働き> 腎機能の低下により ・生ぶどう:体重1kg当たり約19g~148gを超える量 ・レーズン:体重1kg当たり約2.8g~36.4gを超える量 別の報告では致死量は体重1kg当たり4~5粒とも言われている。 <補足> 1kg食べても無症状だったという報告もありますが、万が一のケースを想定して必ず、動物病院を受診してください。状況により『入院』も必要になります。 中毒を起こす動物 犬・猫 来院頻度 ☆☆ 危険度 ☆☆☆☆☆ エチレングリコール ①摂取後30分~12時間以内に発症 → □ 嘔吐 □ ふらつき □ 意識障害 □ 多飲多尿 □ けいれん ②摂取後12 ~ 24時間以降 → □ 頻脈 □ 不整脈 □ 呼吸促迫 □ 肺水腫 ③犬 摂取後24 ~ 72時間以降 □ 急性腎障害(乏尿・無尿) 猫 摂取後 2 ~ 24時間以降 □ 急性腎障害(乏尿・無尿) ※急性腎障害とは→ レーズンブドウの症状を参照 ・犬 体重1kg当たり約 4.4~6.6 mlを超える量が致死量 ・猫 体重1kg当たり約 1.4mlを超える量が致死量 ※ 摂取量が少なくても重篤化する恐れがあります。 中毒を起こす動物 犬・猫 来院頻度 ☆☆ 危険度 ☆☆☆ カフェイン ①摂取後60分~2時間以内に発症 → □ 嘔吐 □ 落ち着きがない □ 呼吸促迫 □ 興奮状態 □ 尿失禁 □ 下痢 □ ふらつき ②重症の場合 → □ けいれん □ 筋硬直 □ 呼吸不全 □ 意識障害に発展する。 ・体重1kg当たり約 100 ~ 200 mgを超える量が危険量。 ・体重1kg当たり約 20 mgを超える量から中毒症状を示す場合があります。 中毒を起こす動物 犬・猫 来院頻度 ☆☆ 危険度 ☆☆☆☆☆ 薬の種類により重症度は変わる [特に 重症になりやすい一例 ] 心臓や血圧に関係する薬 血糖値を下げるお薬 向精神薬(抗うつ薬など) 睡眠導入剤 ハチやヘビ毒 NSAIDS(痛み止め)アセトアミノフェン(風邪薬) サプリメント(αリポ酸:猫で致死的) 殺虫剤(ピレスリン・ピレスロイド:特に猫) 服用してしまったお薬により症状は様々。 中毒は摂取量を超えたから必ずなるとは限りませんが、少なくても重症化する恐れはあります。 間違えて摂取してしまった際は、いつも通われている獣医さんに必ず相談してください。 夜間の場合は夜間診療を行なっている動物病院に相談しましょう!中毒を起こす危険な食べ物⑤ キシリトール
[該当製品]
・キシリトール製品
ガム、キャンディーなどの食べ物
[ 毒性成分 ]
[ 中毒を起こす理由 ]
[ 症状 ]
[ 摂取すると危険な量★ ]※目安
中毒を起こす危険な食べ物⑥ ブドウ・レーズン
[該当]
・ぶどう
・干しぶどう
・レーズン など
[ 毒性成分 ]
[ 中毒を起こす理由 ]
[ 症状 ]
①浄化機能:老廃物を排泄する
②再吸収機能:必要な水分やミネラルを体にもどす
③造血の指令:血液を作る指令を出す
① 老廃物が体内に溜まる
② 体に必要なものが再利用出来ない 結果、おしっこが作れない。
そして、他の臓器にも障害が起こり 数日で死に至ります。
[ 摂取すると危険な量 ]※目安
中毒を起こす危険な食べ物⑦ エチレングリコール
[該当]
・保冷剤(凍らせても柔らかいタイプ)
・不凍液 など
[ 毒性成分 ]
[ 症状 ]
[ 摂取すると危険な量 ]※目安
中毒を起こす危険な食べ物⑧ カフェイン
[該当]
・コーヒー
・紅茶(特に茶葉)
・エナジードリンク など
[ 毒性成分 ]
[ 症状 ]
[ 摂取すると危険な量 ★]
※ 個体差があり、摂取量が少なくても重篤化する恐れがあります。
カフェインの含有量の目安(100ml中に含まれている量)
・インスタントコーヒー 約45mg
・エスプレッソ 約250mg
・ドリップコーヒー 約90mg
・缶コーヒー 34~90mg
・紅茶 約20mg
・緑茶 約20mg
・抹茶 約30mg
・コーラ 約10mg
・エナジードリンク 約50mg
中毒を起こす危険な食べ物⑩ 内服薬(薬類)
[該当製品]
[ 症状 ]
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