6月まで涼しい日が続きましたが、ついに暑さも本格的になりました。この時期の温度変化は動物たちに大きな負担になります。『昨日までとても元気だったのに…』と言うお話はよくあります。今回は夏に起こしやすい病気や温度管理について簡単にまとめました。
室内犬の温度管理
家を留守にする場合は、直接日差しが当たらないようにサークルやケージを移動させ、ゆるくエアコンをかけて、外出することをオススメします。
(注) 室内を冷やしすぎると温度差により体調を崩す場合がありますので注意しましょう。
室外犬の温度管理
特に夏場はコンクリートの表面が高温になります。日陰を作ることや風通しをよくすること、床にスノコを敷くなどの工夫が必要です。
飼い犬が適度な涼をとれるようにしましょう
お出かけの際は、常に飲水できるようにお水をたっぷり置くようにしてください。必ず冷房は入れて出かけましょう。
夏に多い皮膚病
【1】 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の多くは、若齢犬に発症します。主な症状は激しいかゆみや皮膚の赤みなどで、それらが眼や口の周り、耳、脇の下、お腹、足の先端などに起こります。慢性化すると、皮膚があれて湿疹が見られるようになります。
【2】 膿皮症
様々な原因で引き起こされる皮膚細菌感染症の一つ。皮膚の上に住んでいる菌が過剰に増殖して起こる皮膚病です。多くの子が抗生物質が必要となります。
【3】 外耳炎
耳の中で増殖した菌が炎症を起こします。後ろ足で頭を掻いたり、地面に顔を擦り付けるなどの症状が見られます。
・梅雨の時期と重なり、被毛が湿っていて皮膚が蒸れやすい。
・温度と湿度が高く、細菌や真菌が繁殖しやすい。
・気温が高くなるとノミやダニなどの寄生虫が大発生する。
・アレルギー疾患の原因となるアレルゲンも、夏場は種類も量も多くなります。
こんな症状が出たら・・・
□ 痒がる
□ 脱毛
□ 赤いブツブツ
□ 赤くただれる
□ 地肌が赤い
□ 皮膚がかたくなる
□ 皮膚がベタベタする
上記の症状に該当する場合、様子をみても治らない可能性があります。早めの治療をオススメしています。
夏に多い消化器疾患
特にワンちゃんは暑さが苦手な動物です。寒暖の差が激しい時期や猛暑日が続くとそれがストレスとなり腸内細菌のバランスが崩れたり、胃腸の動きが悪くなるため、夏バテや急性の胃腸障害に陥りやすいのです。
以下の症状に該当する場合早めの受診をオススメしています
□ 1日に2回以上の嘔吐する
□ 1日2回以上の下痢や軟便
□ ウンチの色が黒い
□ ウンチに血が着く
□ 元気がない・食欲がない
□ ぐったりしている
応急処置として
□ お水
吐いているときは控えましょう。飲むことで更に吐くことがあります。
□ 食事
吐いているときは控えましょう。下痢の場合はいつもの半分またはそれ以下で様子を観ましょう
まとめ
今回、挙げさせていただいた症状に該当しない場合でも重症になっていることがあります。『様子がおかしい』と思う時は早めの対応をオススメしています。
熱中症
わんちゃんは呼吸によって体温を調整していますが、体毛に覆われ、汗腺が少ないため、体温調節がうまくできません。さらに体高が低いので、路面の照り返しを強く受けてしまいます。
□ 初期症状 体温40℃以上
大きく口を開けてハァハァと呼吸が早くなる。(パンティング)
□ 要注意 体温41℃以上
ぐったりして元気がない・眼や口の粘膜が充血する・よだれが大量に出る・パンティング などがみられます。
□ 至急、病院へ 体温42℃以上
下痢や嘔吐がある・一時的にふらついて倒れる・呼びかけに反応しない・痙攣が起きる・呼吸困難 などがみられます。
応急処置
☆ 涼しい場所に移動させる。
☆ 体を水につけて冷やす。(意識がない場合は口や鼻に水が入らないように)
☆ 扇風機、ドライヤーの冷風をあてる。
☆ 濡らしたタオルで部分的(首、脇、内股)に冷やす。
☆ 意識があれば、少量ずつ水を飲ませる。
体を冷やす際に氷水等はオススメしません。
お散歩の注意点
暑い時間帯の散歩は避けてください。夕方の散歩に行く前に地面を触って温度を確認してください。長時間の散歩には水や濡れタオルを持参してください。気温が高いときの激しい運動・散歩は避けてください。
おすすめの時間帯は午前5時〜7時の間、午後7時過ぎ以降です。お外に行く前に道路を触っていただくと良いと思います。
夏は、温度:25~28度/湿度:50~60%くらい.冬は、温度:20~23度くらいを目安にします。