近年、動物病院でも肥満ぎみのわんちゃん、ネコちゃんが多く見られるようになりました。動物病院に来院するワンちゃんのうち約50%以上が、ネコちゃんでは 約45%以上が肥満または太りすぎといわれています。(日本ヒルズ調べ)
ワンちゃんやネコちゃんの食事管理について考えたことはありますか?
ついつい、おやつやゴハンを与えすぎて太らせていないでしょうか?肥満は、健康を損なう大敵です。日頃の生活に必要なことについてまとめていきます。
ワンちゃんやネコちゃんは一般的に適正体重を15%超えると肥満と言われています。1歳の頃の体重がその個体の適正体重と言われています。
ちなみに、ワンちゃんの場合、体重が1.2kg増えれば、これは人間に換算すると約7倍の8.4kgに相当します。肥満かどうか分からない場合は以下の肥満チェックをしてください。
チェック1 背中に触れて、背骨の突起を確かめる。
肥満ぎみ:肋骨に中々触ることができない、またはかろうじて触ることができる。
正常 :外からでは、はっきり分からないが、手で触ると皮膚の下にすぐ肋骨が触れる。
痩せぎみ:肋骨がゴツゴツと外から良く見える。
チェック2 脇腹に触れて、肋骨を確かめる。
肥満ぎみ:肋骨に中々触ることができない、またはかろうじて触ることができる。
正常 :外からでは、はっきり分からないが、手で触ると皮膚の下にすぐ肋骨が触れる。
痩せぎみ:肋骨がゴツゴツと外から良く見える。
チェック3 その他のポイント
1) 首の後ろにお肉がついて、シワがよっていませんか?
2) 横から見てお腹のラインがなだらかなカーブを描いていますか?
(お腹が地面と平行だと危険信号)
3) 尻尾の付け根にお肉がついて いませんか?
☆ 参考資料
参考:日本ヒルズ・コルゲート株式会社
こんな症状はありませんか?
普段見落としがちな症状でも、よく観察すると肥満の恐れがあるものがあります。 以下のチェック項目をに当てはまる場合はお早めにご相談ください。
□ 1歳の時より体重がおもくなった。
□ 人間と同じものを食べている。
□ 正確な体重がわからない。
□ 毎日の食事量を決めていない。
□ 以前より歩きたがらなくなった。
□ 避妊・去勢手術をしている。
どうして太ってしまうのだろう?
動物たちの場合、食事の量が多いことや運動不足がほとんどの原因です。 また年齢を重ねるにしたがい、基礎代謝は下がり必要とするエネルギー量も少なくなります。 動物たちは自分で食事の量をコントロールすることはできません。 「欲しがるから」「喜ぶから」などと、食事やおやつを必要以上に与えてしまう(摂取カロリーが消費カロリーを上回るほど食べてしまう)ことにより『肥満』を招いてしまうのです。
☆ 太りやすい犬種
□ ミニチュア・ダックスフンド □ ゴールデン・レトリーバー □ ラブラドール・レトリーバー □ シーズー □ ビーグル □ パグ □ シェットランド・シープドッグ □ コッカー・スパニエル
☆ 太りやすい環境
室内飼育をしていて運動量が少ない 場合には、特に肥満のリスクが高まります。また、決められた時間にフードを下げずに食べ終わるまでだしたま まにしているなどの生活習慣も大きな影響を与えます。
肥満と病気の関係
肥満によって、健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
・呼吸器疾患のリスク上昇
・循環器疾患の症状悪化
・膵炎(主に犬)
・脂肪肝(主に猫)
・皮膚感染症のリスク増加(膿皮症やマラセチア性外耳炎)
・関節疾患の悪化 ・腫瘍のリスク増加(乳腺腫瘍、脂肪腫) など。
人間と同様に高齢からの肥満は病気のコントロールが非常に難しくします。