あなたの猫ちゃんはお外に出ますか!? 〜 猫をとりまく環境(交通事情・住宅事情)の変化 〜

昔、家で飼っているネコちゃんが外出することは一般的でした。近年の傾向は室内だけで生活するネコちゃんが増えてきています。今回はお外にいくリスクとお外に行くネコちゃんを室内で飼うポイントについてをお話ししたいと思います。ちなみに・・・

室内で暮らすネコちゃんの場合、平均寿命は15歳前後と言われていますがお外に行くネコちゃんの平均寿命は5歳位と言われています。

これに外出時のネコちゃんの行動と大きく関係があり寿命10年も違うのには次のよう原因が考えられます

その前にお外に出るとは・・・

・ 家のお庭に出る

・ ベランダに出ることがある

・ 玄関先にでることがある

・ たまにお外に出ることがある

・ 網戸のごしに外猫と接触がすることがある  など一度でも、室外に出でたことがあればすべてあり得るお話です。

  交通事故の可能性

ネコちゃんはいきなり車道に飛び出したり、途中で振り返って止まったりします。そのため、骨折や半身不随や内臓破裂など最悪の場合命を失うこともあります。また命が助かっても、重い障害が残ってしまうことがあります。

 けんかによる外傷や化膿

外出するネコちゃんは常に他のネコちゃんとの接触(けんか)により怪我をする危険があります。ケンカの傷はなかなか見つけにくいところにあるため、傷口が化膿することで発熱や食欲の低下につながります。また、ケンカすることで相手から病気(伝染病)をもらってしまうこともあります。

 伝染性の病気への感染

各種感染症は外出によって感染する機会が増えてしまいます。猫にも死んでしまうような恐ろしい伝染性の病気が多々あります。

ワクチン接種により症状が出るのを抑えたり、発症した際に症状が重症化しにくくなります。しかし接種していたとしても完全に危険を回避できるわけではありません。感染をほぼ完全に予防するためにもワクチン接種と室内での飼育は必須です。

 ノミ、ダニ、寄生虫などの感染

外に出せば、ノミ・ダニ・その他消化管内寄生虫などを持ち帰ってくる可能性が高いです。これらの害虫を介して病気にかかる可能性もあり、人間の生活にも支障をきたします。

 

 室内で飼うためのポイント

「室内だけで飼うとストレスがたまってしまいそうだ」や「室内だけではかわいそうだ」と思われる方も多いかと思います。でも…実は、ネコちゃんにとって人間の家の広さのなわばりと、飼い主の愛情があれば十分なのです。

 ポイント①

小さな頃から外に出さずに飼育してあげれば、発情期を除いては外に出ようという発想がほとんどありません。むしろ間違って外に出てしまってもいつもと違う環境に戸惑うため身動きが取れなくなるネコちゃんが多いです。しかし、何度も外に出てしまうと、なわばり意識が家の外まで広がってしまうため外にでたがるようになります。(※ 生後半年位で去勢や避妊手術をしておけば、発情も抑えられますので更に外に出たがるのも防ぐことができます。)

 

 飼育環境のポイント

1)部屋の中だけでも上手に運動をするものです。

例えば・・・廊下を走り回ったり家具の上に跳び乗ったり・・・それでも運動不足を心配する方は、猫じゃらし等の遊び道具で10分でも20分でも遊んであげれば、かわいそうなことはありません。

2)高い場所から見下ろせる場所が好き

猫ちゃんは上下運動が必要な動物なのです。家の中にもそういう場所(キャットタワーや立体ケージ)を作っておくと室内飼育のストレスを減らすことができます。

3)安心できる(逃げ込める)場所を作ってあげる。

押し入れの中など狭くて落ち着ける場所が必要です。

 

 今まで外出する癖がついてしまっている猫の場合のポイント

自分で勝手に扉を開けて出て行ってしまったりして、むずかしい事もあるかもしれません。うっかり外に出てしまわないように、家のドアなどの開け閉めについても家族全員でルールを決めましょう。室内に慣れるために少しの間、立体ケージ内で飼うというのも一つの方法です。

 

 外で猫ちゃんを飼う場合のポイント

① 迷子札やマイクロチップの装着(迷子や交通事故にあった時のため)

② 予防できる病気はワクチンを打ちましょう。

③ 予期しない妊娠を防ぐためにも去勢・避妊手術を早めに行いましょう。

③ 室内猫に比べ、いつも状態をチェックできるわけではないので、調子が悪そうな時は早めに受診しましょう。

 

 

最後に、ここで挙げたポイントは一例にすぎません。合うネコちゃんもいれば合わないネコちゃんもいますのでお困りの際は、一度病院までご連絡ください。