犬と猫のワクチンは、基本的に1年に1回必要になります。
しかし、「本当にそうなの?」「3年に1回でもいい?」というお話も出てきています。今回、飼い主様の希望により、ワクチンの抗体価チェックを行ったわんちゃんがいたので、この機会に考えてみたいと思います。
抗体価検査ってなに?
検査の数値を見ることで、
- ワクチン効果が不十分
- 現時点でワクチン効果があるが、1年以内の接種もしくは再検査が必要
- 十分なワクチン効果が認められる
といったクラス分けが判定されます。この判定により、治療や体質、重篤な副作用など様々な事情でワクチン接種を避けたい子の感染症に対する抵抗力を把握し、その年のワクチン接種を見送れるかどうか判断することができます。
抗体価検査のメリット
不要なワクチンを打たなくて済む
抗体価検査をすれば、ワクチンが必要か不必要かがわかります。不必要な注射を避けられるというのが、抗体価検査の最大で唯一のメリットです。これは、特に今までワクチンで副作用の出てしまった犬や、高齢でワクチンを打つのが心配な犬には非常に大きなメリットになります。
抗体価検査の流れ
- 抗体価検査の希望を伝えていただく
- 獣医師からメリット・デメリットを説明
- 約0.5mlほど採血
- 検査センターに血液(血清)を送る
- 1~2週間で結果が病院に届く
- お電話でのご連絡もしくは結果を郵送
- 結果によって、ワクチン接種の時期を相談
抗体価検査の諸注意
- 検査には採血が必要です。
- 検査費にはワクチン接種の費用は含まれておりません。
- 検査のご報告には1〜2週間ほどかかります。抗体価検査の結果、抗体価が低い場合には後日ワクチン接種が必要になります。
- 以前打ったワクチンの種類を教えていただく必要があります。当院でワクチンを打ったことがない場合、ワクチンの証明書をお持ちいただくか、ワクチンを打った動物病院に必ず確認してからお越しください。
- 長期休暇により検査機関がお休みに入ってしまう場合、検査ができないこともあります。
- 狂犬病ワクチンについては、狂犬病予防法により毎年の接種が義務づけられているため、特別な理由(狂犬病鑑定試験、海外への渡航・移住など)がない限り抗体検査は行いません。