食べ物でない物や、中毒を起こす食べ物を食べてしまうのが『誤食』です。
遊び盛りの若齢犬で多いと言われますが、大人になっても盗み食い・拾い食いをしてしまう子もいます。
重篤な病態に発展することもあるため、気をつけて見てあげましょう。
実は、誤食はイベントシーズンで多くなる傾向があります。 バレンタインにチョコを食べて… クリスマスにチキンを食べて… お正月に蟹や海老の殻を食べて… 人の気が緩む時期に起こる傾向がある様なので、気をつけてあげる事が大切ですね。
よくある誤食のパターン
- 『異物が消化器に詰まった』
玩具、石、果物の種、竹串、タオル、紐 etc…
- 『中毒を起こす食べ物を食べた』
玉ねぎ、チョコ、ブドウ、鳥の骨 etc…
症状
消化できない”異物”を飲み込んでしまうと、嘔吐(慢性的に時々吐く場合も)、腸閉塞・腸穿孔(腸につまる・穴があく)を起こします。
また、中毒を起こす食べ物を食べると、嘔吐、下痢、発熱、けいれん、腎不全などを起こす場合があります。
異物を自分で取ろうとする行為(深く飲み込んだ紐を引き抜くなど)はとてもリスクがあります。異変に気づいた時は、様子を見ずに動物病院に相談しましょう。
診断
- 飼い主さんの目撃情報
- エコー検査
- レントゲン検査(+造影剤)
- 内視鏡検査
以下の情報を詳しく教えてもらえると、動物を救うためにとても役立ちます。 『何を』『いつ』『どのくらい(量・大きさ)』食べたのか 食材や異物の素材から、毒性の有無、消化されるか、摘出が必要かを検討できます。 摂取してからの時間と、その後の元気や食欲の経過はどうかをお伝えください。 摂取量によって症状の重さが変わります。また、異物の場合は大きさによって腸につまるかを判断できます。
治療
- 薬で吐かせる(催吐処置)
- 便で排出を促進
- 内視鏡で胃内洗浄
- 開腹手術(異物が閉塞した時)
- 入院して点滴
誤食の治療はどれも簡単なものではありません。
日頃から異物を食べない様に気を付ける、万が一食べた時はすぐ動物病院に相談することを心がけて、動物の健康に役立てて頂けたら幸いです。